夢里村

アー

空間の詩学

ひさしぶりに映画をいくつか観た。

荒野のガンマン サム・ペキンパー
昭和残侠伝 死んで貰います マキノ雅弘
血槍富士 内田吐夢
現金に体を張れ スタンリー・キューブリック
ロスト・シティZ 失われた黄金都市 ジェームズ・グレイ
散歩する侵略者 黒沢清
いとこ同志 クロード・シャブロル
ビデオドローム デヴィッド・クローネンバーグ
シェルブールの雨傘 ジャック・ドゥミ
友だちのうちはどこ? そして人生はつづく オリーブの林をぬけて アッバス・キアロスタミ

どれもそこそこおもしろかったけど、胸は打ち震えなかった。でも 友だちのうちはどこ? の夜の家々の間を歩いているときの窓の光の浮遊はすごく気持ちよかったし、ラストの花は絶叫しそうになった。キアロスタミすごく良かった。
シェルブールの雨傘はつまらなさすぎて驚いた。特に男が戦争に行ってるときに送ってきた手紙を女が窓辺で読むショットで、雪の降る町と窓枠とカーテンと衣装と便箋で白一色になっていてすごく綺麗だったのに、女が動いてカメラもパンして派手な色の壁を映したのはなんだったのだ? あの美しい画面が壊れることが二人のうまくいかない未来を予期させるとでも? あの息を呑ませるシーンを持続させることより大事なことなんてあるだろうか。

起きて、映画を観て、昼寝して、本を読むことを繰り返した。昼はずっと部屋がくらい。微睡みと部屋のくらさは繋がっている。なんとなく、ここが落ち着きの場所、自分を世界から匿ってくれる静かな場所とは思えない。どこに行けばいいのだろうか? どこへ、か?

ずるずる はいどうもーすするでーす