アメリカのアパートのドアって、鍵を内側でひねっておいて閉めるだけで鍵がかかるからちょっとだけ楽なんだけど、今日それをしてすぐ、鍵を持ってくるのを忘れたことに気がついた。大家は金土休み、オワタとなったが、日中にこもった熱が夜も残るからという理由で常に網戸だけを閉めた状態にしていたという最悪な防犯意識のおかげで、網戸を外から外して室内に入り事なきを得た。網戸にも鍵があってかかっていると思っていたけど、それが外れていたかなんだかとにかく外から開けられてしまった。今日も良い休日になると思った。
家にシーリングライトがないため(そもそも取り付けできない)、すてきなランプを探しに行って、とってもいいアンティーク屋を見つけた。結局そこでランプを買ったのだが、入り口近くにある絵も気になって、それはいくらなのか店員さんに聞いてみた。100ドルということで思っていたよりは安いけど高い買い物には違いないなと迷っていたが、店員さんが、それホックニーみたいでいいよねと言ってきて、まさに同じことを思っており勢いあまって購入することにした。ちょうどつい最近、先輩からホックニーの《A Bigger Splash》について教えてもらった矢先のことだった。店員さんはレズリーといって、長くサンフランシスコに住んでいたらしく意気投合した。このアンティークショップにはちょこちょこ顔を出そうと思った。あとから少し調べたら、それはThe Louisiana Museum of Modern Artのポスターに採用されたホックニーの絵だということがわかった。初めて絵を買った。このなんともいえないうれしさ。
車がないと厳しいエリアに変わりはないが、ティキバー、プールバー、セカスト、SUSHI BOY、セブンイレブンなどが徒歩圏内ということがわかった。おそらくセブンイレブンには一回も行かないと思うが……。この前の土曜、そのティキバーに行ってみるも満席。しかたなくもう15分くらい歩いて別のバーへ。バーテンダーのひとたちがかなり塩対応で残念。あとからそこまで悪いひとたちじゃないかなとも思ったけど、英語もろくにできないよそものにはそこまでフレンドリーではないのは確か。2杯くらい飲んで退散するかと思っていたら、とんでもなく酔っ払ったおっさんが話しかけてきて、最終的に番号を交換した。なぜぼくはここまでおじさんとうまくいくのか、いまだにわからない。ぼくの仕事が日本の本屋だという話をしたら、なんとかアルケミストの話をしだして、最初パウロ·コエーリョのことかと思ったけど違うようで、わからんなあと返してたら、フルメタルアルケミストのことだった。アニメも見てて一期(アニオリ)も好きらしい。そのひとと外でたばこを吸いながら、アメリカ人はあなたみたいにフレンドリーな人が多くてありがたいよ、という話をしていた。彼も、まあそうだね、みんなわりと親切だよねということを言っていたが、そのとき通りすがりのひとがぼくの吸ってるたばこをひと吸いくれ、って言ってきたのでたばこをわたしたら、ちょっと吸ってたばこを返して軽くありがとうと言って去ろうとしたから、おっさんが「もっと言い方とか頼み方があるだろう」みたいなことを言うも、「あーはいはい」というかんじでどこかに行ってしまった。おっさんは、ま、ああいうのもいるよ、とこぼしていた。そのおっさんはカウンターに戻って椅子に座ろうとしてもうまく座れず床にひっくり返っていた。こんなやつがこのあと運転して帰るのかと思うと非常におそろしい。
